d 第4回目 11/29金 模擬授業(対話による鑑賞)2
今回は、平面の3作品を各25分間で行うことにした。
一番目は、20号の風景の油彩画である。短大の近くの御陵池をモチーフにして遠近感のある構図で描かれている。鑑賞場面では、描かれた季節や時間などについての発言が多くあり、全体の少し暗めの重い雰囲気から5月の梅雨頃という予想や、作者自身の心境がそのような状態にあったのではないかという意見も出た。作者からは、そのころ特に悩んでいたのではないが、丁度1回生の5月頃、風景画の課題で場所を探していたところ、故郷の景色と雰囲気が似ていたのでこの場所を選んだことや、岸の木々が湖面に倒れかけていた 形に惹かれて描いたことなどが語られた。
二番目は、デザインコースの作者で女の子がサイダーを飲んでいる写真が入ったパネル貼りのポスターである。画面中央に大きく、英字タイプの白文字と黒文字で「sorry,me」と入っている。鑑賞者からは、夏の爽やかな色合いの組み合わせについてや、何箇所にも入っている文字などについての推測がなされた。
作者が横にいるが、自由な鑑賞の場として雰囲気を壊さないように、どんな発言が出てもじっと表情を変えずに立っていたのが印象的であった。ファシリテーターが、発言を文章で板書したため時間がかかり間が開いてしまう状態が何度かあった。いかに鑑賞者の発言をうまくまとめていくかが課題となった。
三番目は、10号の静物画の油彩画である。テーブルの上に、白い皿と水の入った透明のビニール袋5つが端を結ばれて置かれており、その中の袋の1つはテーブルにぶら下がっている。全体的にブラウンを基調にした淡い色調で仕上げられており、鑑賞者からはビニール袋に入った水の描写の仕方や袋に写り込んだ描写に関する発言が多く聞かれた。また、一部未完成に思われる点などについての質問があり、作者からは実験的な試みをしたかったこと、そしてその時の心境が語られ、敢えて未完成の作品を持参したことなどが明かされることになった。
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