これは、光の影を楽しむ「ランプシェードづくり」から、それを包む「パッケージデザイン」へと結びつけた題材である。
「ランプシェードづくり」では、土粘土を使い彫塑や陶芸の基本的な技法を学び、「パッケージデザイン」では、カッターナイフやのりなどの用具の基本的な使い方を学び直すとともに、実際に持ち帰るときに必要な強度や飾って楽しめる美しさをもつ実用的なデザインを追求していきたい。
題材の特徴
ポイント① 「ミニ煉瓦の立体造形」からの発展
「ミニ煉瓦の立体 形」を制作していた一つのグループが、光をともすモニュメントを作った。煉瓦は耐熱性もあるので、ろうそくや電球を入れることが可能であが、接着剤にも耐熱性をもたせる必要がある。さらに屋外に設置するときは、耐水性も必要なので、設置場所によって接着剤を使い分けられるようにした。
ポイント② 簡易箱から「パッケージデザイン」へ
これまでは、ランプシェードを持ち帰る簡易箱を、段ボール、新聞紙、ガムテープ等を使って1時間で制作してきたが、箱づくりの苦手な生徒が多いことに問題点を感じてきた。
そこで、大量の厚紙が手に入ったこともあり、機能的で美しいパッケージを制作することにした。それぞれの思いが詰まった作品と共に持ち帰り、飾って楽しめるようになった。
ポイント③ 基礎基本の徹底(折る、切る、貼る)
カッターナイフで綺麗に切ったり、のりを使って美しく貼ったりするなどの、基本的な材料道具を使えない生徒が年々多くなっている。体験不足が最も大きな原因である。
そこで、「折る、切る、貼る」の物づくりの基礎基本を徹底的に学習させることにした。たっぷり時間をかけ、何度も失敗する中で自分の使い方を考えていけるように工夫した。