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ガショウさんの「教えないように、教える」美術教育の実践

ガショウさんの美術教育とテラコッタ造形

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題材6−2「ランプシェードのパッケージデザイン」

by Gasho 2018-01-13

 表現活動の動機の一つに、他人に見てもらいたいという要求が挙げられると思う。自信をもって表現したものや苦労したもの、努力して成し遂げたものなどは、他人にもその成果を認めてもらいたいという気持ちが起こるのである。

 作品の展示やコンクールへの応募は、その代表的な例であろう。人前に出すことによって刺激を受け、創作への意欲を高揚させるという効果があると思われる。

 私はこれまで、自分の作品に執着している生徒が案外少ないことを残念に思ってきた。そして、すべての生徒が作品を家に持って帰って家族に見せたくなるような授業を展開したいものだと願ってきた。

 「たくさんの小石の中から気に入ったものを一つ選び、手のひらに包み込んでその感触を確かめ、時間をかけて絵に表す。」という実践がある。終了後、ほとんどの人はその小石を手放せなくなってしまう。

 ものへの愛着心は、そのものとの時間的なかかわり合いとに大きな関係があるらしく、どこにでもある小石でも、かかわり方によって特別な意味をもつようになったということである。時間をかけて少しずつ実現しながらものへの思い入れを密にし、自分が味わった充実感や満足感による喜びを人と共有したくなる、そんな美術の授業を展開したいと考えた。

それには、よい失敗をするしくみを取り入れることが大切であろうと考える。

 数学や物理では、公式がよく使われる。問題を解決するための効率的な手法であるが、使っているうちにその公式がどうして生まれたのか分からなくなってしまうことがある。公式だけを暗記していても、実際に使える力が身に付いていないということになる。これと同じことが美術の技術指導にもいえ、様々な場面に応用できる実用的な技術を身に付けていくためには、その必要性が理解されていなければならない。

 そのためには、十分な体験を通して自分で見つけだすことが大切で、それが小さな事でも自分で見つけられたことが重要で、発見の喜びが次の創作意欲へと結びついていくのである。この題材は、良い失敗をしながら自ら発見する過程を大切にし、愛着をもって取り組めることを目指している。

題材の目標

 近くの箱屋さんから厚紙の端材を大量に提供してもらうことができたので、これを使い自作ランプシェードのパッケージを制作することにした。

 自宅に無事持ち帰れる強度をもち、また作品と共に飾っておきたくなるパッケージの制作として、次の二つのことを目標にした。

○ 限られた素材を活かしながら、自分の作品に合ったパッケージを創意工夫して制作することによって、身の回りにある身近な箱の便利さやデザインの重要性に気づくことができる。

○ 日常よく使う紙の性質やカッターナイフの適切な使い方などを、十分な体験を通して自分のものにしていく。


題材の評価規準

関心・意欲・態度発想や構想の能力
パッケージデザインに興味や関心をもち、その機能性や美しさを身の回りのデザインから感じ取ろうとしている。自分の作品の特徴をとらえ、それに合うパッケージデザインを創意工夫して制作し、表現活動を楽しんでいる。
創造的な表現の技能鑑賞の能力
基礎的基本的な材料用具の使い方を、試作を通して習得し、素材の性質を生かしながら機能的な美しさを追求している。他の作品に用いられたしくみや工夫を読み取り、今後の自分の作品づくりや発想に生かそうとしている。

先輩たちの残した部品をリサイクル


主な学習内容と評価

学習内容(時間数)ポイント評価の観点評価方法材料・準備物等
1 導入 (1)
・課題の説明
・作品例の提示
◎約3か月前に作ったランプシェードと再び向かい合い、それを持ち帰り飾るためのパッケージを作るという、正に実用的なデザインの学習である。○素材について興味や関心をもち、制作に取り組んでいるか。
(関心・意欲・態度)
①説明時の観察記録・パッケージ見本
*プリント「陶パーツによるランプシェードづくり」 参照
2 材料用具の基礎基本 (箱の試作) (4)
・1辺10cmの立方体の箱を試作する。

・紙加工の「折る、切る、貼る」を学習する。
*題材4-3「試作箱の制作」 参照
*「カッターナイフの使い方(8つのポイント)」 参照
*「木工ボンドの使い方」 参照
◎この試作箱の制作工程には、「折る、切る、貼る」の基本的な技能が集約されている。これらの技能を十分に身に付け、本制作に応用できるようにしたい。

◎特にカッターナイフは、日常の様々な場面で使用するが、苦手意識をもっている生徒が多いので是非この過程で克服させたい。
○ 意欲的に自分の作品に合ったパッケージを作ろうと創意工夫しているか。また、表現活動を楽しんでいるか。
(発想や構想の能力)
②制作過程の記録・厚紙(11.5cm×97cm)
・木工用ボンド
・セロハンテープ
・ステープラ
・両面テープはさみ
・ものさし
・カッターナイフ
・カッターマット
3 アイディアスケッチ (1)
「自己評価表」の6つの観点に注意して、完成予想図を描く。

・堅牢性、構築性

・デザインの美しさ

・総合的な表現技能
*「自己評価表」 参照

○記入することで自分の制作を振り返り、今後に生かそうとしているか。
(鑑賞の能力)

○自分でアイディアを出し、意欲的に制作に取り組んでいるか。
(創造的な表現の技能)
・穴開け用パンチ
・ビニール袋
・紐、糸
・クッション材
・自己評価表
4 本制作 (8)
・アイディアスケッチや模型を参考にしてパッケージを制作する。
◎生徒の作品の中で、形やしくみなど工夫されているものを紹介する。○素材研究で学んできたことを、作品に生かそうとしているか。

○評価項目を確認し、見通しをもって積極的に制作に取りかかろうとしているか。
(創造的な表現の技能)
③作品(観点別)

④アイディアスケッチ
・構造理解
・形のバランスや美しさ
5 まとめ (1)
・自己評価表の記入
◎自己評価表を記入し、これまでの制作について振り返る。○他の作品を参考にし、自分の作品づくりに生かそうとしているか。
(鑑賞の能力)
⑤作品の感想文・自己評価表

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    • 目次
    • 教えないように、教えるとは
    • 10のポイント
    • 実践事例
      • 1.絵画・工芸
        • 題材1「手作りペン画」
        • 題材2「樹木の細密描写」
      • 2.彫刻・工芸・デザイン・鑑賞
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