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ガショウさんの「教えないように、教える」美術教育の実践

ガショウさんの美術教育とテラコッタ造形

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題材9「リレーアニメーション」

by Gasho 2018-01-14

 動画やアニメーション、小説などのストーリー性のある作品づくりでは、問題を解決する過程で必要な吟味や批判などが頻繁に行われる。これは、発想力や構想力を育てることにもつながると考えられる。

 そこで、動画を容易に作成できるというコンピュータ の特性を生かして、ストーリーの展開を楽しみながら発想力、構成力などの造形感覚を養うことを目標とし、さらに他者の作品を引き継いでリレーすることによって刺激を受け、自己の造形表現に反映できるように工夫している。

題材の目標

 動くということは、ものの状態が時間とともに変化するということである。動きは、形の変化によって起こり、そこにはストーリーが生まれる。視点の移動、間隔を変えるだけで印象が変わる。ぱらぱら漫画の感動を、コンピュータで手軽にできる時代を楽しませたい。

題材の評価規準

関心・意欲・態度発想や構想の能力
情報を他者に伝え交流することによって、人間関係をより広く形成しようとするとともに、映像メディア機器を活用しようとする。動きに必要な効果を考え、感性を働かせて対象や様子などをよく見つめ、よさや美しさを感じ取り、表現を構想する。
創造的な表現の技能鑑賞の能力
動きの特性について理解し、時間による効果を活用するとともに、知的所有権、肖像権、プライバシーの保護等について理解し表現する。他者の作品のよさや美しさを深く味わい、 題材のとらえ方や表現の仕方のよさを感じ取り、表現のよさや作品の美しさに対し自己の意見を述べることができる。

主な学習内容と評価

学習内容 (時間数)ポイント評価の観点評価方法材料・準備物等
1 導入 (1)
・コンピュータを使用する際の健康管理(椅子の高さ、入力装置の位置、視力)

・生徒作品の鑑賞
◎マウスやキーボードを使うときの腕の位置やスペースなどが、ほとんど意識されていない場合が多い。これらの機器を将来的に使う機会が多くなると予想されるので、健康管理に気をつけるように注意させたい。
*授業の大きな流れ 参照
○参考作品から動画の特徴を知り、関心をもつ。
(関心・意欲・態度)
①説明時の姿勢・態度

②参考作品の鑑賞態度
・参考作品

・投票用紙
2 アニメソフトの操作習得 (3)
・学習プリント(図1)による操作手順等の理解

・2コマアニメを実際に作り、動いて見えることを体験する。(グーとパー)

・アニメソフトの基本的な操作方法を知る。
◎たった2枚の画像を素早く入れ替えるだけで、残像効果によって動いて見える。

◎テレビや映画の画像が動いて見えるしくみを理解することによって、普段のものの見方も変化する。
*【学習プリント】 参照
○制作手順をよく聞き、ソフトウェアの操作とともに、ネットワークの仕組みを理解する。
(創造的な表現の技能)
③学習プリントへの記入内容

④リレーションの概念理解とコンピュータの操作習得
・参考作品

・場所・樹木記入地図

・スケッチブック
3 制作 (8)
①最初のフレームに、作者のプロフィール(学年、クラス、番号、氏名、題名)を入れ、イン ターバルを「1」にし、最短時間に設定して、妨げにならないようにする。

②4~10コマ程度でアニメーションを作る。

③ファイルを2か所に保存する。
自分用:「マイドキュメント」→「美術」
共有用:「共有フォルダ」→「 組」

④共有用フォルダにある作品を鑑賞し、続きを制作したい作品を選ぶ。

⑤続きのフレームに1を行い、2~4までを繰り返してリレーしていく。
*リレーションのイメージ 参照
*作品データの保存のされ方 参照

◎グループ制作(2~5名)も可能とする。その場合は、全員のプロフィールを入れる。

◎ファイル名は、その作品にふさわしい題名に付け直すようにする。
(例) 「動く」→「リズム」 (同じファイル名で上書きすると、元の作品が 消えてしまうので注意すること。)

◎共有用に提供された作品は、著作権フリーとし、だれでも引き継げることとする。ただし、人権意識をもち、モラルに気をつけて扱うようにさせる。
○他者の制作意図と作品の効果を参考にし、自分の作品に生かそうとしている。
(関心・意欲・態度)

○意外性のある展開、なめらかな動き、時間の取り扱い、フレームの表示時間によって受ける印象が大きく変わることに気づく。
(発想や構想の能力)
⑤作品 (観点別評価)
・発展性や魅力のあるテーマの生成

・他者作品の理解の深さとそれらの活用

・形や時間などの変化による効果の理解

⑥活動状況
・作品
・鉛筆

・消しゴム
4 鑑賞 (1) ①各自がプロジェクター等によって提示しながら、制作の意図や工夫点を発表する。

②共有フォルダにある他者の作品を鑑賞し、作品に対する感想を作者に伝える。
○制作過程を振り返り、自分の表現方法したりして、次の制作に生かそうとしている。
(鑑賞の能力)
⑦発表場面での発表状況
・鑑賞の姿勢・態度

・作品の感想文の提出
・ノートパソコン

・提示用プロジェクター

題材の特徴

ポイント① 動くという不思議

 グーとパーのたった2枚の絵でも、素早く交互に入れ替えると動いて見えることに驚きの声が上がる。まるで途中の形も見えるように感じるから不思議だ。これまでの体験を基に、脳が予測して画像を作り出しているのだろう。見ることと見えることの関係を考える良い機会である。

ポイント② ネットワークを活用する

 携帯電話やインターネットの普及により、他者とリンクしているという感覚はこれまで以上に強くなっている。しかし、普段は自分と気の合うものとのやりとりである。だれとでも作品を通じてコラボレーションするというところがこの題材の魅力である。

 リレーによって、作品はどんどん増殖していく。選択肢によってストーリーが変わる最近のゲームのようだ。ネットワークは、作品の可能性を無限に広げる。

ポイント③ 「鑑賞」と「発表」の相互作用

 リレーするときには、リレーしたい作品の選択(評価・判断)と、リレーしてもらえるような作品の提供 (他者評価の予想・展開の効果) 必要となってくる。

 鑑賞による刺激と、発表による緊張が交互に行われることによって、これまで難しかった短時間での意識変革が行われていく。

授業の大きな流れ

導入 「題材のねらいと概要説明」 (コンピュータ室) 1時間目

・コンピュータを使用する際の健康管理 (椅子の高さ、入力装置の位置、視力)

展開1 「アニメソフトの基本操作の習得」 (コンピュータ室) 2時間目

・2コマアニメの体験 (グーとパー)

・アニメソフトの基本的な使い方の説明

展開2 「ノートパソコンの使い方と収納」 (美術室) 3時間目

収納場所 ノートPC20台、電源コードリール5個 提示用装置 ノートPC、プロジェクター、スクリーン

展開3 「リレーションの概念とルール」 (美術室) 3時間目

・リレーションの概念とルールについて

展開4 「最初のシーンを制作する」 (美術室) 5時間目

・第1フレームに、作者名、題名を入れ、続いて数コマを作る。

展開5 「リレーションの開始」 (美術室) 6~11時間目

・二人で相談しながら、ストーリーを思案中。

学習プリント

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リレーションのイメージ


作品データの保存のされ方

作品例

この題材は、日本教育工学振興会JAPET「実践事例アイディア集Vol.15」に掲載された。

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    • 教えないように、教えるとは
    • 10のポイント
    • 実践事例
      • 1.絵画・工芸
        • 題材1「手作りペン画」
        • 題材2「樹木の細密描写」
      • 2.彫刻・工芸・デザイン・鑑賞
        • 題材3「粘土でスケッチ」
        • 題材4「土笛からオカリナへの進化」
        • 題材5「空想の世界に住む生き物たち」
        • 題材6「ランプシェード」から「パッケージデザイン」へ
          • 題材6−1「テラコッタ粘土によるランプシェードの製作」
          • 題材6−2「ランプシェードのパッケージデザイン」
          • 題材6−3「試作箱の制作」
      • 3.版画
        • 題材7「コラグラフ」
        • 題材8「コラエンボス」
      • 4.映像メディア表現・鑑賞
        • 題材9「リレーアニメーション」
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