廃品利用
文化祭や大きなイベントの後は、教材の素材を集めるチャンスである。今回は、「ドミノ倒し」でいらなくなった檜の板で、生徒の親が材木関係で協力してもらったらしい。形の揃ったものは教材にしやすい。約1年間の思考期間を経てこの題材が生まれた。
平和のブロックを築こう
国連の前庭に、平和への願いが描かれた小さな木のブロックが世界各国から寄せられ、大きな塀を築く活動があった。
空いた時間を利用して少しずつ作り溜め、「ピースフロック」として文化祭の来場者に遊んでもらうことにした。
題材の目標
日本では戦争が終わって60年になる。いつまでもこの記録が更新されることを祈る。教え子たちが平和に過ごせることが何よりもの願いである。小さな木片の6面に絵と字でそれぞれの平和への願いを記す。大きくは世界や宇宙に視野を広げて、身近では友達や家族へのいたわりの気持ち、一人一人の小さな願いが全部集まれば、これまで人類が成し遂げられなかった争いへの道は絶たれる。
美術教育の目指すものは、それぞれの自由な表現を認め合う社会であろう。直接テーマとして掲げなくとも、希求するのは恒久の世界平和であり、そのための美術教育でありたい。
題材の評価規準
関心・意欲・態度 | 発想や構想の能力 |
平和への願いがブロックに込められ、多くの人たちに発信されることに興味をもち、自らも平和について考えを深めることができる。 | 自分の平和への願いを具体的に言葉に表し、そこから発想する形や色の特徴を絵や文字に表し、相手に伝えることができる。 |
創造的な表現の技能 | 鑑賞の能力 |
伝えたいメッセージによって、描画方法や技法を工夫したり、相手に強く伝えるために必要な要素を選んで表現したりすることができる。 | 相手の伝えたいことや表現の工夫を読み取るとともに、自分の考え方の参考にして表現を深めようとしている。 |
主な学習内容と評価
学習内容(時間数) | 評価の観点 | 評価方法 |
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1 「ピースブロック」について (5分) 2 「ピースブロック」の描き方説明 (5分) | ○題材の意図や目的を理解し、積極的に取り組もうとしている。 (関心・意欲・態度) | ①説明時の姿勢・態度 |
○必ず入れるもの ・平和への願いを「絵」と「文字」で表す。 ・6面すべてに描く。(ブロックで遊んだときに見えるように) ・6桁の自分の数字 (○○...年度、○...学年、○...クラス、○○...番号) を入れる。 | ||
3 「ピースブック」を作る (40分) 4 「ピースブロック」を積む (課外) | ○言葉から浮かぶイメージを端的に形に表すことができる。 (発想や構想の能力) ○相手の伝えたいことや表現の工夫を読み取るとともに、自分の考え方の参考にして表現を深めようしている。 (鑑賞の能力) | ②制作及び活動状況 ③提出作品 |
文化祭展示風景