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最後は、同じく②の中から、斎藤信一『さすらいの楽士』が選ばれた。実は、この絵は昨年にも選ばれており、全部で90作品あることから考えると選考される確率が非常に高い。学生達の好みの傾向が感じられ興味深い。全員にこの冊子から好みの作品を選ばせてみると、何らかの傾向が出てくるかもしれない。
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ここでは、ファシリテーターが鑑賞の最後に題名を述べ、描かれた人物が楽士であることを明かして終わった。 4人のOBを交えての鑑賞会であったが、お互いによい刺激を受けたようである。
j 第10回目 1/26(月) 模擬授業(対話による鑑賞)5
今回は、3つの作品を持ち込んでの鑑賞である。まずは、陶芸作品で、赤土で紐作りをして成形した後、白化粧土をかけて模様を掘り出し、透明釉を掛けて焼成している。オブジェの様相が強い花器である。上部に模様に合わせて口が切られている。鑑賞者からは、大きな大福のようでおいしそうだという感想が出たが、発言が続かない。鑑賞者の多くは陶芸経験がないので、何を言ったらいいかわからないようだ。そこで、疑問を作者に直接答えてもらうことにすると、少し専門的な内容の質問と返答が続いた。小学校で実施する際も、同様のことが予想されるのでそれへの対応の仕方を考える良い機会になった。やってみなければわからないものである。
次は、クラフトコースの作品で銀製のブレスレットとイヤリングである。作品が小さいので、みんな集まって目を凝らして見ることになる。思わず触りそうになって作者の様子を窺う。許可が出ると、ひっくり返したり実際に手に付けたりと鑑賞が活発になった。視覚だけでなく、触覚も加わることで情報が倍増するのである。
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小さな蟻が一列になって、飴玉に向かう。一匹だけが反対向きに進んでいる。見ているうちに、様々な物語が浮かんでくる。同じ蟻がモチーフなのに、どうもブレスレットとイヤリングの雰囲気が違うことに気が付いた。後に作者から、教育実習前と後に制作したことが明かされ、微妙な違いを自分たちが感じ取れたことへの満足感をがあった。作者から、銀ろう付けやたたき出しの技法などについての解説があり終わった。
最後は、デザインコースの作品で、本の表紙をCGで描いたものである。火曜サスペンスのようという発言を皮切に、少しミステリアスな推理が続く。どうも、右上に飛び散った真っ赤な血のような形と色の印象が強く、どうしても話題が殺人やミステリーの方に向いてしまう。冬の5限目の授業、17時も過ぎ窓から見える景色も随分薄暗くなってきた。帰りを心配して話題を変えるように促した。 最後の作者の解説では、男女の純愛、しかも結構ドロドロとした小説の内容を想定したということで、みんなの感想や予想とは少し違っていた。実際の本のサイズはもっと小さいことから、出力サイズの大きさにも原因があることが予想された。
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