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次の写真は、実は未完成の日本画の鑑賞風景である。他の制作に追われて完成できなかったのである。困っている作者と相談して、急遽作品の前に岩絵の具と膠などの描画材を置くことにした。未完成なのを利用して、描く手順や描画材の解説をする展示に変更したのであるが、案外この鑑賞方法が良かったようで、子どもたちは初めて見る日本画の絵の具に興味津々で、後の発表場面では顔を高揚させながら得意そうに描画材とその使い方を話す児童の姿を見ることができた。また、絵に登場するウサギが緑色で描かれており、作者が実際の色にこだわらず自分の好きな色で表現しようとしたことを聞いて、子どもたちは絵の自由さを再認識したようである。学生の感想文にも、自分の表現への考え方に自信をもつことができて嬉しかったと書いてあった。このような、作者を交えて制作過程を紹介する鑑賞の仕方も効果的であることが分かったことも今回の大きな収穫である。作者も、自信の作品を鑑賞されることで創作意欲が高まる好例である。
右の写真は、2回目の参加の洋画作品である。表現方法が、具象から抽象に変化している。実は、昨年度ムサビが持ち寄った作品の多くは抽象表現であった。本学の学生達は、基礎基本を大切にする大学の方針から、具象的な表現の傾向が強い。作者は武蔵美の学生たちの作品に少なからず影響を受けたようで、スタイルが少しずつ変化していき抽象表現へと辿り着いた。また今回、抽象具象にかかわらず子どもたちはストレートに感じたままを口にしていることに驚くとともに、自身の表現方法に自信が持てたと後の感想文に書いている。
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キ 自由鑑賞
続いて、20分間の自由鑑賞である。一端教室に戻った児童達に、橋本教諭が鑑賞方法を説明される。(写真右)
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クロッキー帳に「見て感じたままをかこう!」と書かれた4つの枠がある。これを持って、気に入った作品について絵や文を書き込むのである。題名は、作品への先入観を持たないように明かしていないので、その欄には自分の考えたものを書くことになる。
全16作品の内、グループでは2点しか鑑賞していないので、1つでも多くの作品を見ようと大急ぎで廻る児童達、既にこれと決めていたのか長時間作品の前に座ってじっくりと取り組む児童もいる。どの子どもたちも、このような方法に慣れているようで、普段から取り組まれていることが分かった。
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