ク 自由鑑賞の班別交流と個人発表(6限)
子どもたちは、メモを取り終わるとなごり惜しそうに教室へ戻ってきた。班ごとに自分の鑑賞してきた作品についての感想を交流する。全作品を掲載した写真一覧を1枚ずつ配布し、どの作品かを示しやすいようにした。次の写真は、作品一覧を見ながら、思ったことや感じたことを班で話し合っているところである。
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前回のムサビとのコラボでは、体育館だったので自由鑑賞で終わったが、今回は橋本教諭の発案で児童達の話し合いや発表を取り入れることになった。普段の授業でも、そのような活動を大切にしておられるとのことで、実際にこの後の個人発表では終了することが難しい程活発な発表が続いた。ベテラン教員の手腕が随所で発揮され、子どもたちの発言が止まらない。驚いたのは、将来画家になりたいという子が複数人いたことである。それも、その理由やどんな画家になりたいのかを非常に明確な言葉で表現するのである。橋本教諭は国語が専門で、普段の取り組みの成果であろう。また、学生達の事後の感想にもたくさん出てくるが、「絵は自由に描いていいんだ」と言うことに気づいたという発言が多く出たことである。そんな子どもたちの様子に、参加した学生は言うまでもなく、研究会の先生方も驚きながら参観されていた。
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半日にわたる鑑賞授業もいよいよ終わりである。参加した20人の学生達は、充実したにこやかな表情で児童たちのお礼の言葉を聞いた。ここでも驚いたのは、橋本教諭の「お礼を言いたい人」との問いかけに、ほとんどの児童が一斉に手を上げ、一人ひとりが自分の思いをしっかりと言葉にしてお礼を言う姿である。元気な子どもたちに圧倒された一日であった。
ケ 吉野郡図画工作研究会の教員との交流会
交流が活発になるように2つのグループに分かれた。教員からは、今日の参加目的や普段の制作についての考えなどを児童達の反応を交えながら話された。中に奈良芸出身の方もおられ、懐かしそうにしながら後輩達を励ます言葉がけをされた。中学校では、今日の児童のような反応が返ってきにくいことなど、僅か30分であったが大変充実した交流となった。
最後に、指導された橋本教諭から、自身の小中学校での図工美術の思い出と、大学の指導教官の言葉で図工に目覚めたことなどが話され、丁度定年を迎えた最後の年、そして来年度の再任用が今日決まったことなど、またもや驚きの話での締めくくりとなった。
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