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三番目は、染織のタペストリー作品である。桜のような大樹が大空に溶け込んでいく、遙か上空には黄色の鳥が一羽飛んでいる。長さ2m20cm、幅70cm、厚みが1cm程ある大作である。最初は、窓につるして全体が分かるようにし、次に机の上に広げて触れながら鑑賞した。作者以外は織物の経験が無く、その作成方法に興味津々であった。特に、作品を裏返しにした時に歓声が起こった。複雑に絡み合いながら結ばれた色とりどりの縦と横の糸は、それぞれ別々に染められていると聞き、更に驚きの声が上がった。鑑賞が終わってからも、作者を取り巻いて質問する姿があった。これまで二年間、教職を目指す学習を共にしてきた仲間の新たな一面を発見したようである。
h 第8回目 12/15(月)鑑賞模擬授業(対話による鑑賞)3
まず、「発言に対する心構え」ポイント4から、対話の舵取り「ならべる、くらべる、立場をかえる、つなぐ、わける、ゆさぶり、もどす」について、解説した。ポイントの最後である。
続いて、一番目は、ティチャーズキット①小学校(3・4年)の中から、ワリシー・カンディンスキー『赤色の前の二人の騎手』(写真左下)である。なるべく、作者や題名を伏せるようにしているが、最初に目に付くのは背景の赤色である。白く抜かれたところは女の人の横顔にも見えるという発言があった。鑑賞が進むにつれ、馬にまたがる騎手と直ぐ近くの樹木がそれぞれ対になって表現されていて、前は老い、後ろは若さを表しているのではないかというところに辿り着いた。
2作品目は、ローズマリー・ラング『フライト・リサーチ#9』(写真右下)である。空中から落ちてきているようだ、逆に下から浮遊しているのでは、瞬間異動で突然現れたのではと、そう言われればそう見えてくるから不思議な写真である。実際には起こりえないと感じている瞬間を表したものだからだろうか、想像が広がる。最後にファシリテーターが、この写真家は花嫁衣装を着た女の人が色々なポーズで飛び降りている写真を撮影していると明かして終わった。
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2番目は、②小学校(5・6年)の中からフリオ・カルテリャノス『誘拐の天使』(写真左下)が写された。壁を隔てた左と右の天使の様子や、左のベッドに入る日の光について発言が及んだ。
二枚目のエドヴァルト・ムンク『生命のダンス』(写真右下)では、右の黒い服の女性と左の白い服の女性は同一人物で、真ん中のカップルを巡った心理を表しているのではないかとの発言から始まった。ファシリテーターは、一連の「発言に対する心構え」から学んだポイントを踏まえながら、板書を使わなくても鑑賞者の発言を的確にまとめたり広げたりすることができるようになってきた。
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