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i 第9回目 1/19(月) 模擬授業(対話による鑑賞)4
今回は、専攻科2回生の4名が訪問授業の練習のために参加することになった。この学生達は、2年前に教員免許を取得しており、「対話による鑑賞」の講義も受けているが、実践経験が無いため練習を申し出た。
最初は教職2回生が、ティチャーズキット③(中学校)より、マルク・シャガール『町の上で、ヴィテブスク』をファシリテートした。プロジェクターを使った鑑賞なので、板書をせずに進める手法を用いた。ファシリテーター役も慣れてきたようで、要所要所で発言をまとめたり、鑑賞のポイントを押さえたりする手法も板についてきた。最初のじっくり見る場面を、時間の都合で短くしたので、12分間の鑑賞で発言をしなかった者が2名いた。そんな場合は、指名や発言しやすい問いを考える等のアドバイスをして鑑賞を終えた。
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2番目は、OBの番である。久し振りの教壇なので、少し緊張しているようだ。しかし、暫くすると勘を取り戻したようで、鑑賞者の発言を上手く汲み出せるようになってきた。作品は、ロバート・ウィルソン『記憶/喪失』である。少し不気味なシチュエーションの作品で、最初は怖い等の暗い発言が多かったが、鑑賞が進むにつれ様々な角度からの発見があった。最後の方で、作品の手法や材質についての問いが出て終わった。
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3番目はティチャーズキット①小学校(3・4年)の中から、ジョバンニ・フランチェスコ・カロート『少年の肖像』である。
作品の題名を告げていないので、一人を除いて大半の鑑賞者が女性を描かれていると思ったようで、髪型や服装などから判断するという既成観念が働いていると感じた場面であった。しかし、手にした落書きのような決して上手くない人物の絵や、それを持つ手の大きさなどに話題が広がり、鑑賞が進むにつれて男性ではないかという数も徐々に増えてきた。鑑賞の深まりや、他者との意見交流によって判断に変化が生まれたと考えられる。
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4番目は、OBで①の中からワリシー・カンディンスキー『赤色の前の二人の騎手』が選ばれた。これは、一ケ月前にも取り上げられているが本人だけが知らない。見ていて、以前よりも早く鑑賞が深まっていったように感じた。暑さを表現する手法や馬上の人物の仕草など、興味深いのは以前の発言をしっかりと覚えていることと、新しい鑑賞者が加わったり、ファシリテーターが変わったりすることによって、同じ作品でも広がり方が違ってくるということである。対話による鑑賞は、参加者によって共同で作られていくものであるということを改めて感じることになった。
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5番目は、②小学校(5・6年)より、マーク・タンジー『ド・マンを問いただすデリダ』である。題名を知らないので、危険な場所でダンスをしているように見えたようで、どうしてもその発言から抜け出せなくなってしまった。プロジェクターでは見えにくいが、パソコンのモニターでは、岩のような表面に、びっしりと文字が書き込まれていることを知らせると、全員が我先にとのぞき込みに来たのが印象的であった。
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