美術教育について
私は、高等学校25年、県教育研究所9年、奈良芸術短期大学12年、併せて46年間美術教育に関わってきました。
さて、美術教員になってずっと悩んできたことがありました。それは、『美術は、教えることができないのではないか』ということでした。美術教育は、いうまでもなく表現の教科ですが、この教科では技法や技術などの習得と同時に、創造的な表現にかかわる技能を育てていく必要があります。それらを進める方法として、私が辿り着いたのは「教えないように、教える」だったのです。
ある美術の先生が、「困ったときに、すぐに相談できる『駆け込み寺』が欲しい」とおっしゃっていましたが、私も教員になりたての頃はよく悩みました。高等学校では美術の教員は一人しかいないことが多く、誰かと相談するということがほとんどありませんでした。そんな美術教員がたくさんおられるのではないでしょうか。
そこで、これまでの実践を発信し、一人でも多くの皆さんに役立てていただけたらと思い、この「教えないように、教える」サイトを立ち上げました。
ここで紹介する実践は、主に高等学校と短期大学のものですが、中学校でも使えるものがたくさんあります。また、教育研究所や短期大学での研究論文は、PDF版でダウンロードしていただくこともできるようにしました。
このホームページをご覧いただいて、改善点等お気づきのことをご一報いただけたら幸いです。